フィクション

     

『鳥たち』よしもとばなな

幼い頃に両親を亡くした二人が、どうやって過去と向かい合っていくのか。癒せない傷を引きずり、焦りと不安に苛まれながらも、懸命に生きる二人が解放される日はくるのか。力強くも美しい物語です。

『ホテルローヤル』桜木紫乃

ラブホテルを舞台にした、男女と従業員の人生模様が書かれた短編小説。不幸を背負っている、悲しい境遇の人々にスポットライトを当てた7編。少しアダルトで哀愁漂う物語です。直木賞受賞作品。

『選んだ孤独はよい孤独』山内マリコ

人生にもがく男性たちに寄り添った短編集。主人公はみんな、情けなかったり少し傲慢だったりするけど、どこか愛らしい。男の人生にまつわる生きづらさや悩ましさを感じました。自分が女だからこそ、読んでいてとても新鮮でした。

『博士の愛した数式』小川洋子

シングルマザーの杏子とその息子、そして博士の三人が紡ぐ、優しくも温かい物語。博士の記憶は80分しか持たない。そんな博士との生活、日々の学び...ハンカチ必須の感動ストーリーです。